INFRA INTELLIGENCE お問い合わせ

道路の穴でタイヤがパンクしたら補償される?穴があるだけでは決まらないのはなぜ?

道路の穴でタイヤやホイールが壊れたら、警察に届けてから道路の管理者に連絡します。管理に問題があれば国家賠償法で賠償される場合がありますが、全額とは限りません。その場でやること、撮る写真、請求の流れを解説します。

夜、雨に濡れて街灯が映る道路(イメージ)

安全な場所に止めて警察(110番)に届け、穴と車の写真を撮ってから、その道路の管理者に連絡します。市道なら市役所、国道なら国道事務所などが管理者です。道路の管理に問題(瑕疵=かし、備えるべき安全性が欠けていること)があれば、国家賠償法にもとづいて管理者が賠償する場合があります。ただし必ず補償されるわけではなく、運転する側にも過失があれば減額されます。

道路の穴で車が壊れたときの流れ。1 安全な場所に止める、2 110番に届ける、3 写真を撮る、4 道路の管理者に連絡、5 現地の確認と書類の提出、6 賠償するかの判断。2の110番は事故証明に必要なので強調している。
図1 事故から賠償の判断までの流れ。警察への届け出がないと事故証明が出ません

まず何をする?

その場でやることは3つです。

  1. 後ろの車に気をつけて安全な場所に止め、けが人がいれば119番に電話する
  2. 110番に電話して、事故として届ける
  3. 安全な場所から、穴と車の写真を撮る

タイヤがパンクしたまま走り続けると、ホイールまで損傷します。無理に動かさず、ロードサービスを呼ぶのも手です。

警察への届け出は、あとで補償を相談するときにも欠かせません。交通事故証明書は、警察に届け出ていない事故については発行されないからです。申請できるのは原則として、人身事故は事故から5年、物件事故は3年以内です(出典: 自動車安全運転センター)。

交通事故の運転者には、警察への報告が義務づけられています(道路交通法第72条第1項)。自分の事故が当たるか迷うときも、その場で110番して指示に従ってください。対応した警察署と警察官の名前も控えておきます。

どんな写真を撮ればいい?

穴は、時間がたつと補修されて事故のときの形が残りません。あとで管理者に状況を説明するため、その場で次の4つを撮っておきます。撮った時刻も記録として役立ちます。

撮っておく4枚の写真。1 穴と周りの道路が入った引きの写真、2 白線や縁石と一緒に写して大きさが分かる寄りの写真、3 電柱の番号や交差点名など場所が分かる目印、4 タイヤやホイールの割れや傷。
図2 撮っておく4つの写真。穴は歩道や路肩から撮ります

穴の大きさは、白線や縁石、マンホールのふたなど、大きさの分かるものと一緒に写すと伝わります。交通量の多い車道の中や、見通しの悪いカーブで写真を撮るために道路へ出ることはやめてください。近づけないときは、引きの写真だけで十分です。

壊れたタイヤやホイールは、管理者に確かめるまで捨てずに保管してください。

どこに連絡する?

補償の相談先は、事故が起きた道路の管理者です。管理者は道路の種類で決まっています(道路法第13条・第15条〜第17条)。

道路連絡先
市町村道市役所・区役所・町村役場の道路の担当
都道府県道都道府県の土木事務所など(政令指定都市の中は市)
国道国道事務所(国が管理する区間)か、都道府県・政令指定都市
高速道路その高速道路会社の窓口

同じ国道でも、区間によって窓口が違うことがあります。たとえば岐阜県高山市では、市道は市の維持課、国道41号は国の高山国道事務所、そのほかの国道と県道は岐阜県の土木事務所が窓口です(出典: 高山市)。

どの道路か分からないときは、国道・県道・市道はどう見分ける?で調べ方を説明しています。電話番号は変わることがあるため、管理者のページで確かめてください。

補償されるの?

国家賠償法第2条第1項は、道路の設置や管理に瑕疵があって損害が生じたとき、国や自治体が賠償すると定めています。岡山市も、道路の管理に欠点があれば、その程度に応じて管理者が賠償すると案内しています(出典: 岡山市)。

ただし、穴があれば必ず補償されるわけではありません。管理者が穴を知ることができたか(予見可能性)、直す時間があったか(回避可能性)がなければ、瑕疵はないとされることがあります。運転する側にも過失があれば、賠償は減額されます。金沢市は、大雪など自然災害が原因の場合は補償の対象にならないとしています(出典: 金沢市)。

走り方も見られます。国土交通省の判例資料には、制限速度50kmの県道を時速約80kmで走り、路面の凹みで事故になった例で、管理者の責任を否定した判決(大阪地裁 昭和54年2月22日)が載っています(出典: 国土交通省)。

請求までの流れと用意するもの

管理者に連絡すると、事故の日時、場所、連絡先、損害の状況を聞かれます。高山市のように、現地で状況を確かめる管理者もあります。そのうえで求められた書類を出し、管理者が賠償するかどうかと、その額を判断します。市の案内では「補償」と書かれますが、法律のうえでは国家賠償法にもとづく損害賠償の請求です。

用意しておくものは次のとおりです。

  • 交通事故証明書
  • 穴と車の写真、事故の場所が分かる地図
  • 修理の見積書や領収書
  • けがをしたときは診断書と通院の記録

金沢市が公開している事故報告の様式でも、事故現場の位置図、写真、事故証明、診断書が添付資料に挙がっています(出典: 金沢市の様式)。連絡した日時、窓口、担当者、説明された内容もメモしておくと、話がずれずに進みます。

交通事故証明書は、ゆうちょ銀行・郵便局での払い込み、自動車安全運転センターの事務所の窓口、インターネットのどれかで申し込みます。手数料は1通1,000円で、郵便局で申し込むと払込料金もかかります。郵便局の申込用紙は、警察署や交番にも置いてあります。

よくある質問

Q. 自分の車の保険は使える? 使えるかどうかは契約の内容によります。契約している保険会社や代理店に確かめてください。

Q. 自転車や、歩いていてけがをしたときは? 連絡先は同じく道路の管理者です。岡山市の案内も、車が壊れたときとけがをしたときを同じ窓口にしています。まず治療を受け、診断書をもらっておいてください。

Q. 家に帰ってから、ホイールの割れに気づいたときは? 気づいた時点で警察に届け、道路の管理者にも連絡してください。時間がたつほど穴が補修されたり、事故との関係を確かめにくくなったりします。

Q. 穴の場所だけ知らせておきたいときは? 次の人が同じ被害に遭わないよう、管理者か道路緊急ダイヤル(#9910)に知らせてください。#9910は24時間・無料で、LINEでも通報できます(出典: 国土交通省)。

この記事は一般的な情報で、個別の事故が補償されるかどうかや、過失の割合を判断するものではありません。


道路を使う方へ:次に読む 国道・県道・市道はどう見分ける?/道路の穴を見つけたらどこに連絡する?

道路を管理する方へ インフラインテリジェンスでは、毎日使う道で見つけた損傷をスマホで記録し、道路を管理する自治体などに届けるサービス「みちカルテ」を開発中です。詳しくはみちカルテのページをご覧ください。

最終確認日: 2026年9月27日

参考資料

お問い合わせ